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2012年11月8日木曜日

演奏ボランティア


 私はヘッポコアマチュアミュージシャンである。月に一回程度あちこちで演奏させていただいてるが、技量がないのか、顔が悪いのか、拍手はまばらである。

 そんな私でも、熱烈に歓迎してくれる人たちがいる。それは障がい者の集まりである。実に楽しそうな顔で一緒に歌い踊ってくれる。この間はリクエストにこたえてビートルズのレットイットビーを一緒に歌った。麻痺があるのでまわりにはがなり声にしか聞こえなかったかもしれないが、一緒に歌った私には思いがビンビン伝わってきた。言葉では表現できないが、音楽が好きという気持ちは共有できた。

 演奏が終わった後は笑顔とボディタッチが待っていた。気持ちのいい空間だった。天国というのはこういうところをいうのではないかと思った。

 私のつれあいは障がい者のホームで働いているが、実感を込めてこう言う。利用者には人を陥れようとか、だまくらかそうとか、そういう考えはまったくない。実直そのものだ、と。

 最近、ダウン症を診断する血液検査が話題になっている。ダウン症の方自身、その親の苦労から軽々しく判断できないが、少なくともいえることは、障がい者のいる社会っていいもんだなってこと。世知辛い世の中、実直な人たちに学ぶことも多いのではないか。「この子らを世の光に」という言葉がなんとなく理解できた。人間は使用価値ではなく存在価値だという哲学者の言葉も理解できた。

 さわやかな秋の一日のできごとである。

(山形新聞投稿)