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2013年2月19日火曜日

福島原発事故自主避難者に求められる対応 2014.3.13更新

1.借り上げ住宅の問題
2.高速道路の無料化について
3.就学援助について
4.雇用問題
5.山形県の支援体制強化
6.医療問題
7.子ども・被災者支援法について
8.裁判関係




1.借り上げ賃貸住宅の問題

 災害救助法にもとづき、山形県が借り上げたアパートなどを応急仮設住宅として避難者に無償で提供する仕組み。

①期限延長の問題
・原則1年間、ただし県が認めた場合は最長3年間まで延長可能
<被災者支援パッケージ>(2013.3.25復興庁)
  2012年度末までとされている借り上げ住宅の供与期間を、全国で平成26年3月末まで延長するほか、 さらなる延長に向けて検討も行う。
<「子ども・被災者支援法」基本方針>(2013.10)
  避難者の民間借り上げ(みなし仮設)住宅への入居期間を2015年4月以降も延長することを決めた。

②住み替えの問題
<災害救助法と厚労省見解>
 借り上げ住宅は災害救助法にもとづく仮設住宅の一種(みなし仮設)で、入居と同時に「救助」が完了したと判断されるため、住み替えは原則として認められていない。
・福島県では厚労省と協議のうえ、住み替えが例外的に認められる可能性があることを確認し、13都県 に伝えた。
・新潟県は独自の判断で30件認めている。

<山形県の対応>
・2012年9月山形県は「真にやむを得ない事情がある場合」に例外的に住み替えを認める
1)健康の理由で借り上げ住宅での居住が困難な場合
2)家主の都合による場合
3)現居住地に新たな避難者が増え、入居者数が住宅規模を著しく超えた場合
4)・居住を継続することが避難者にとって不利益、危険を生じさせる場合
 個別のケースごとに福島県と協議して、承認するかを決める
■この時点で承認されたケース2件
・騒音で睡眠が困難になり、家族がうつ病で通院し、医師から転居を勧められた
・3世代で同居したが生活パターンの違い、避難生活のストレスのため祖母が体調を崩して入院


●これまで県内で健康問題等の事情を考慮し、30数件の住み替えを認めた。(2014.2.18なんでも相談会による県との懇談で明らかに) 


2.高速道路の無料化について
<現況>
避難指示・勧奨区域の避難者を対象に2013年3月31日まで継続。

<2013.3.15復興庁、国交省発表>
・福島県浜通り・中通り及び宮城県丸森町から避難して二重生活を強いられている母子避難者を対象に、 高速道路の無料化措置をとる。実施期間は平成25年度予算成立を目処に開始し、当面平成26年3月末 まで。

<国交省2014.3.10発表>
平成24年4月1日より、原発事故により政府として避難を指示又は勧奨している区域等にお住まいであった避難者の一時帰宅等の生活再建に向けた移動を支援する目的で、平成26年3月31日(月)までの間、高速道路の無料措置を実施しているところですが、当面、平成27年3月31日(火)まで継続いたします。


3.就学援助について
<就学援助制度>
・市町村が就学が困難と認定する世帯の児童生徒に対し、学用品、給食費などの就学にかかる費用を援助 する制度。
・生活保護世帯は市町村と国が1/2ずつ、要保護世帯に準じると市町村が判断した準要保護世帯は全額市 町村が負担する。
<被災者就学支援特別基金>国の一般会計 H23年度より事業開始
・東日本大震災で被災し、経済的理由により就学困難な幼児・児童生徒を幅広く支援するため、すでに都 道府県が設置している「高校生就学支援基金」に「被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金」を積み増 し、都道府県または市町村が実施する被災幼児就園支援事業、被災児童生徒就学援助事業、奨学金事業、 私立学校授業料等減免事業、被災児童生徒等特別支援教育就学奨励事業、専修学校・各種学校授業料等 減免事業について、その事業を推進する。

<山形新聞>2012.6.21
 このように本来は財源的にも区別されている事業であるにもかかわらず、市町村の就学支援の中で被災者就学支援がまるめられることが2012.6.21付山形新聞で報道されている。
○山形市
 2011年度は避難者全員を就学援助の対象としたが、2012年度は本来の制度と同様、収入と生活に必要な費用を勘案し、就学が困難な支給対象者かどうか判断する。ただ避難世帯に関しては、避難している家族と自宅に残る家族とで二重に生活費が発生している実態も踏まえるという。二重生活による負担増を考慮するという市町村は鶴岡市、南陽市など。
*2013.4から当面2年間、就学援助が避難しているすべてのご家庭に実施されることになった。(前年度は所得制限がかかり、約3分の1の家庭しか受けることができなかった)

○米沢市
 所得にかかわらず支援していたが、2012年度は所得基準を設けた。従来の就学援助制度の基準とは別。「もともと市民と同じ制度として考えると不公平感が出る。別個ととらえている」(市教委)

○酒田市
 2012年度も所得要件を設けない。「国が方針を出す前に市としての支援方針を決めていた。被災児童生徒への支援は従来の就学援助と別立てと考えている」

<県の指導を改善させる>
 就学援助とは別立の制度として運用すべきであるが、県から就学支援と同様の運用を指導されたという声もあり、県の指導の改善を求めていく必要がある。


4.雇用問題
・山形県では国から交付される「ふるさと雇用再生特別交付金」と「緊急雇用創出事業臨時特例交付金」 により基金を造成し、これを財源として、雇用創出事業を実施している。

(1)山形県の震災対応事業(92事業、事業額702,165千円、雇用創出人数451人)
 東日本大震災により被災した失業者(青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県、新潟県及び長野県内の災害救助法適用地域に所在する事業所を離職した失業者又は当該地域に居住していた求職者)の雇用機会を創出するための事業。新規雇用する労働者の雇用・就業期間は1年以内で、更新可能。

(2)問題点
 臨時雇用の期間は10か月で、2か月間の空白期間がおかれている(病院などは12か月)。国からの財源は12か月分きているが、県独自の判断(地方公務員法との関係)で10か月になっている。他県では労働力の確保の面からも形骸化しており、山形県における改善が求められる。
 更新も可能であるが、ハローワークでの手続きが必要。

<被災者支援パッケージ>
「福島避難者帰還等就職支援事業」により、避難者が多い山形などの各県において、福島に帰還して就職することを希望する方のための相談窓口を設置する。


5.山形県の避難者支援体制強化
(1)「やまがた避難者支援協働ネットワーク」2013年度8/8創設
・市町村、社協、NPO、避難者ら92団体で構成
・メーリングリストや意見交換会で情報を共有し、ニーズに応じた支援を強化する。

(2)震災避難者アンケート(2013.10)
2420世帯に調査票を郵送、850件の回答
①心身の不調
・疲れやすく体がだるい38.8%
・イライラする34%
・よく眠れない23.9%
・特にない20.1%
②生活面の不安
・生活費62.6%
・行き先が見えない47.9%
・体の健康41.5%
・住居39.6%
③想定する避難期間
・わからない、未定24.8%
・借り上げ住宅の提供が続く限り20.2%
・子どもの入学・入園・卒業・卒園まで12.2%
・山形に定住したい18.6%
④母子世帯の割合33.1%


(3)高校受験について
 
<山形県教育委員会>

平成26年度の避難者に対する本県県立高校の受験・入学に関しての取り扱い
 

(概要)

〇県立高校の受験の際の住民登録

・(基本)本県県立高校を受験する者は、入学までに本県に住民登録を行うものとする。

・(例外)本県中学校を卒業見込みの者は、本県への住民登録を条件としない。

この場合、在籍中学校の所在地を受験生の現住所とみなし、本県の学区制に従い受験できるものとする。



6.医療問題
(1)福島県「県民健康管理調査」
①甲状腺検査の結果概要
<H23年度>H25年7/31現在
・悪性ないし悪性疑い 14例(手術10:良性結節1、乳頭がん9)
・男性:女性 5:9
・平均年齢 17.2±2.0歳(13-20歳、震災当時15.6±2.0歳11-18歳)
・平均腫瘍径 14.7±6.7㎜(6.0-33.0㎜)
(検討委員会の対応)
・線量評価との相関は公表しない
・悪性もしくは悪性の疑いと診断された10名の線量評価は把握しているが、公表はしない
・地域別の割合も現段階では公表しない

<H24年度>H25年7月31日現在
・悪性ないし悪性疑い 30例(手術9例:乳頭がん9例)
・男性:女性 13:17
・平均年齢 16.3±3.0歳(8-21歳、震災当時14.3±2.9歳6-18歳)
・平均腫瘍径 15.7±8.2㎜(5.2-34.1㎜)
 ・平均腫瘍径 15.7±8.2㎜(5.2ー34.1㎜)
②津田秀敏教授(岡山大学・疫学)
・多発とするのが疫学の常識である。
・被ばくの影響がないと断定する材料は何もない。もし被ばくと関係がないとしたら、「原因不明の多発」 となり、すぐに拡大調査すべきもの。

<2014.2.7>
・甲状腺がんと診断33人(2013.11比+7)
・がんの疑い41人(同+9)

チェルノブイリ原発事故後の甲状腺がんの発症経過や、今回見つかったがんの種類、大きさなどから「現時点では放射線の影響は考えにくい」(検討委員会座長)
がんの発見率がこれまで考えられていたよりも高いことについては「症状がない人も含めた未知の調査で、比較できない」と説明。

(2)環境省が発表した甲状腺比較調査について
(毎日新聞2013.3.30)
 環境省は29日、東京電力福島第1原発事故による福島県の子どもへの放射線の影響と比べるため、青森県弘前市▽甲府市▽長崎市−−の3市で実施した甲状腺検査について、年齢別の結果を公表した。小さなしこりなどが見つかった割合は、各年代ともに福島県外で大きかった。ただ同省は「福島と3市との差はわずかで、差がないといえる程度」としている。福島県では今年1月までに、震災時0〜18歳だった13万3089人が甲状腺検査を受診。比較的小さな5ミリ以下のしこりや20ミリ以下の「のう胞」(液体がたまった袋)が見つかった子どもは41%いた。これに対し、県外3市は▽6〜10歳で55%▽11〜15歳で59%▽16〜18歳で57%−−と、いずれの年代も福島県の数値を10ポイント前後上回った。環境省は今月8日、県外3市の3〜18歳4365人を対象に検査した結果、平均57%だったとの概要を公表。県外の方が数値が大きいのは「福島では(しこりが見つかりにくい)0〜2歳を対象にしたことなどが原因」としていた。

<環境省「甲状腺比較調査」の問題点>

①今回の比較調査では、福島県内で甲状腺がん(疑いも含む)が10件検出され、実際手術も受けた事実 を説明できない。比較調査は「スクリーニング検査であり、甲状腺がんの診断を目的とした検査ではな い」という。
②今回の比較調査は、WHO調査で甲状腺がん発症率が他地域よりも7割も高かった1歳児未満は対象外 としている。環境省自身、3県の調査では0歳~2歳児は対象になっていないことを認めている。調査 の設計段階からミスがあった。
③放射線が甲状腺に影響することが甲状腺医学で常識となっている中、福島の数値が一番低いということ は恣意的な力が作用したことを否定できない。④あるいは、青森、山梨、長崎にも被ばく影響が及んだ ことも考えられる。福島と同じ検査基準で行ったのであれば、福島健康管理検査のと同じデーターを公 表されなければならない。

(3)健康相談会まとめより(2012.12県民医連)
①健康不安をかかえている
*本人、子どもに様々な症状が出ている(倦怠感、無気力、イライラ、アレルギー、おもらし、疲れ やすい、鼻炎、頭痛、脱毛、めまい、咳、背中が痛い、視力低下、リンパ腺の腫れ・痛み、立ちく らみ、過換気症候群、胸の痛み、風邪をひきやすい)
 これらの症状について、内部被ばくとの関連を指摘する文献も出ている。
*これから生まれる子どもへの影響
②これまでの受診状況から
*内部被曝量チェック(ベラルーシから輸入した機械を使用)で子どもからコバルト60(59.53ベク レル)、セシウム137(17.05ベクレル)検出された。
*尿検査でセシウム137(0.09)出た
*済生館のエコー検査で嚢胞群発6-7個指摘された。
③診療・検査等についての要望
*福島県の健診はとても遅れている。福島県内の医療機関は信用できない。山形県内で甲状腺検査できる ところはどこか。
*娘がB判定。山形県内で検査できるところはないか。
*嚢胞・結節ありといわれ、6カ月後に再検査といわれた。山形県内で検査できるところはどこか。
*相談会、健診を実施してほしい
*継続して診てもらいたい
*福島県内の子どもたちを山形に連れてきて検査してほしい。
*地元で心の内を話すこと、本音をはきだすことができない。
*福島に戻っていいのかきちんとした判断材料がほしい。

(4)山形県への要望(2013.2県社保協)
①「原発事故子ども・被災者支援法」に関する国の基本方針が確立されるまで、当面、県の責任で避難者 への定期的な健康診断、子ども・妊婦の医療費減免を実施すること。
②避難者への健診(甲状腺エコー、血液検査)費用に助成すること。
③県立病院に甲状腺専門外来を設置すること。
<県の回答>2013.4.15
①国の財政保障がないもとで、県が率先して行うことはできない。福島の子どもの医療費無料化制度(18 歳以下)があるが、受領委任払いを検討してきた。県知事、担当課で福島に赴くなど努力してきたが、 実現にはいたっていない。
②福島県民健康調査は山大でも受診できるが、予約しても受けられない状態で、検診車の導入を検討して いる。4/5-6米沢で試みた。内部被曝対策としてホールボディカウンター検査を県内避難者も受けられ るよう置賜・山形で調整している。
③県立病院(中央、河北、新庄)に内分泌専門の医師は各1名ずついるが、糖尿病の診療が忙しく甲状腺 専門外来は難しい。エコー機器はある。

<県内の子ども医療費無料化助成制度>2013年現在
①山形県
・対象年齢 0歳~小学6年まで(小学生は入院のみ)
・所得制限 なし
・一部負担金 3歳未満及び所得税非課税世帯、第3子以降はなし
②市町村の上乗せ事業
・天童、尾花沢など19市町村で通院・入院とも中学3年まで無料化(所得制限・一部負担なし)

(5)山形県避難者への内部被曝検査
 福島県は5/27、山形県に避難した人を対象に内部被曝検査を行うと発表した。6~8月にかけて米沢・山形・鶴岡の3市で実施する。
 福島県県民健康管理課によると、対象は原発事故が発生した当時、福島県内に居住し、その後山形県に身を寄せた4歳以上の避難者。ホールボディカウンター(全身測定装置)を積んだ車両で、全身の内部被曝線量を測定する。検査は無料。
 検査日は米沢市すこやかセンターが6/21~24日、28~7/1、同5~8日、山形市のあこや会館は7/12~15日、18~22日、25~29日、鶴岡市総合保健福祉センターは8/2~5日。時間はいずれも午前9時半~午後4時半で、8/2のみ午後2時~4時半。
 6/3から土日、祝日を除き、午前9時~午後5時に申込みを受け付ける。1日あたり約70人、全体で2千人程度の検査を予定。申込みは検査日の5日前までで、過去に同様の検査を受けていない人を優先する。6/3に開通する同課の申込み専用電話番号は080(5743)5867、080(5743)5868。(5/28山形新聞)

(6)南相馬の3200人、内部被ばく検査小中生異常なし
 2013.9.24南相馬市が発表。5月から8月に市立総合病院などでホールボディカウンターで実施。市内の小中生98%が受診。セシウム134と137は検出限界以下と発表。
                                                                                   
7.「東京電力原子力事故により被災した子どもたちをはじめとする住民等の生活を守り支えるための生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(子ども被災者支援法)について

(1)国(復興庁)は基本方針の策定を怠り、2013年度予算にはまったく盛り込まれていない。
・2013年3月15日、「原子力災害による被災者支援施策パッケージ」を発表(詳細は復興庁HP)。
①子どもの元気復活、②子どもの健康・心のケア、③子育て・生活環境の改善、④その他、支援を行う団体への支援等、を柱としている。「支援法」に盛り込まれた医療支援など具体的なものはなく、むしろ自主避難者の帰還をうながす内容のものが目立つ。自主避難者への施策としては「母子避難者等に対する高速道路の無料措置」くらいで、対象を浜通り、中通り、宮城県丸森町に限定している。

(2)基本方針を閣議決定(2013.10.11)
・福島県内33市町村を対象とした「支援対象地域」以外でも、除染や健康診断実施の対象になり得る。
・対象地域の範囲は見直さない。
・対象地域外への支援策として、①避難先での就職支援、②新たに避難した被災者の公営住宅への円滑な 入居、③原発事故の際に福島にいた人は、住民票がなくても外部被ばく線量など福島県民向けの健康調 査を受けられる、などを明記。
・甲状腺検査結果の情報管理、提供のあり方を検討する。
・今後基本方針を見直す場合は、被災者の意見を反映するため民間支援団体と連携する。
・2013年10月から福島県外に自主避難している人たちに向けて、ニュースレターの送付や説明会開催な どの情報提供事業を始める。


8.裁判関係
(1)ふくしま集団疎開裁判について
<仙台高裁で異例の判決>
主文は申立てを却下だったが、一審の事実認定を見直す成果があった。 
[一審の事実認定]
100mSv以下なら問題ない。文科省も20mSvまで基準をアップしたから危険とは認められない
[仙台高裁の事実認定]
①郡山市の子どもは低線量被ばくにより生命・健康に由々しい事態の進行が懸念される、
②除染技術の未開発、仮置場問題の未解決等により除染は十分な成果が得られていない
③被ばくの危険を回避するためには、安全な他の地域に避難するしか手段がない
④「集団疎開」が子どもたちの被ばくの危険を回避する1つの抜本的方策として教育行政上考慮すべき選択肢である

(2)山形損害賠償請求
 原発被害救済山形弁護団は,平成25年7月23日,山形地方裁判所に,東京電力株式会社及び国を被告とする損害賠償請求訴訟を提起。
 原告は62世帯,227名であり,被告東京電力株式会社及び国に対し,原告1人当たり1100万円(慰謝料1000万円+弁護士費用100万円),合計24億9700万円の損害賠償を請求。

●東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされ、精神的苦痛を負ったとして、福島県から山形県に身を寄せている避難者ら計207人が10日、東電と国に対して、慰謝料計22億7700万円の損害賠償を求める訴訟を山形地裁に起こした。昨年7月に続く第二次提訴で、一時提訴とあわせ原告は434人、請求総額は47億7400万円となった。(山新2014.3.11)

                                                                                         

以上

2013年2月5日火曜日

内部被曝の症状と原因

■「フクシマの真実と内部被曝」小野俊一
酸素分子などすべての分子は100電子ボルト以下のエネルギーである。
そこに270万電子ボルトのウラニウム分子が入ると細胞は崩壊する。これが様々な症状の原因となる。
その細胞は寿命が来たら死ぬが自分と同じ細胞を二個残す。そしてがんになる。
内部被曝というとがんや白血病がクローズアップされるが、本当に怖いのは個々の細胞の死であり、もし心臓に起きたら心不全(突然死)、脳に起きたら脳卒中、軽度の場合は中枢神経障害による記憶力の減退、倦怠感などが起こる。
震災後の突然死・脳卒中の増加は東北大学の下川宏明医師が日本循環器学会で発表した。
内部被曝の恐ろしさを示す「ペトカウ効果」:長時間、低線量放射線を照射する方が、高線量放射線を瞬間放射するよりたやすく細胞膜を破壊する


■「低線量被曝の危険性」医療問題研究会
細胞が死ななくとも、血管の透過性が高まり、皮膚や粘膜が充血し、発疹ができたり、鼻血が出たり、頭痛やめまいが起こることが考えられる。同時に体の反応として化学物質が出て、腸管の運動が亢進し、下痢や腹痛、嘔吐が出たりする。


■「内部被曝からいのちを守る」市民と科学者の内部被曝問題研究会
チェルノブイリ事故後、1998年にゴメリ地方住民に行われた病理解剖時のセシウム137の臓器別測定値セシウム137は甲状腺にもっとも高濃度に蓄積、次いで骨格筋、小腸、心筋と続く。
セシウム、ストロンチウム、ヨウ素などベータ線を出す原子を含む放射性の埃が食べ物と一緒に体内に入った場合、被曝=分子切断を行いながら食べ物と一緒に移動し、腸管から吸収される。薄い腸壁の膜に深刻な障害を与えて下痢を引き起こす。
ストロンチウムはカルシウムと似た性質を持ち、骨や歯に取り入れられやすい。骨に沈着した各種が排出されて半分になるまで50年かかる。
生命機能分子を切断した結果は「原爆ぶらぶら病」と呼ばれる慢性的疲労感、倦怠感、行動が長続きしないなどの健康被害を与える。


■木下黄太氏のブログ「専門医の手記」より編集
被曝とは細胞死とDNAの損傷である。
<鼻血、のどの痛み、咳>
放射性物質により鼻腔粘膜の細胞死数が増え、炎症が起きる。粘膜は数日で元に戻るが、日々放射性物質を吸収していれば炎症が続き、特に副鼻腔に蓄積すると排出が困難なため副鼻腔炎を起こし、細菌感染しやすくなる。
上咽頭まで炎症が起きれば咳が出る。鼻血は初期で止まる。止まらない場合は空気中の粉じんに付着している放射性物質量が多いと推定される。
<皮膚、爪、指先痛など>
初期には放射性物質が皮膚のしわ、指の爪の間に溜まり、皮膚炎、爪の割れ、さかむけなどが起きる。
体内への蓄積量が増えると、指先では末梢神経炎のような鋭い痛み、皮膚の発赤、気道感染が多くあらわれる。
<腹痛、下痢など>
食事等での放射性物質を取り込むと、消化器、特に腸の粘膜にダメージが多くなり、軽度で続く下痢、軽い腹部の痛みが起き、毒性の強くない細菌による食中毒様の症状を起こすことがある。
<生理>
内部被曝が高い場合、内分泌系に異常が起き、体重減少や生理の遅滞、生理の異常が起きる。だるさを感じ始める。
体内への蓄積が多くなると、造血細胞群の機能低下が起きる。各血球のバランスが変わる前に、血液凝固因子が減り、出血が止まりにくくなり、線溶系も異常を来す。生理で出血量が多く、経血の様子も普段と異なってくる。
<妊娠での問題>
胚の段階では初期流産につながる。分化が起きている時期での被曝は、四肢や指の分化不全を起こすことがある。流産にならないこともままある。
妊娠後期では、内分泌にダメージがあれば生後の知能と成長が良くはなくなる。
<免疫の低下>
内部被曝線量の高い方々では、免疫の低下はすでにある。症状の出方は個人差があるが、最初は上気道感染と腸管感染が主。副鼻腔炎から中耳の炎症を起こすこともある。
免疫を落とすステロイドの使用は注意すること。
<甲状腺機能低下>
甲状腺の機能低下は、だるさを感じるような状態になるまで、自覚症状がない。腫れも圧迫感もない。
甲状腺ホルモンのレベルが大きく低下すれば、甲状腺刺激ホルモンが多く分泌され、甲状腺が肥大してくる。
<うつ、倦怠感、知覚異常>
内分泌系障害でうつと倦怠感がでる。こうなると小児の障害は想像を絶するレベルとなり、中年では網膜の損傷によって、部屋が暗く感じる、記憶力の低下、性格の変化など知覚異常が発生する。
基本的に被ばく量を減らすことが最も重要で、次が排泄の促進である。