生活保護問題で山形市議会に請願しました。山形市では今年から請願趣旨を説明する機会を与えてくれることになりましたので、早速説明に行きました。その原稿をアップします。
守岡等
現行の生活保護法は、生活保護申請は口頭でも可能であるとされており、必要な書類の提出を義務づけていません。改正案は、申請を書面とした上で、資産及び収入、家賃など、保護の要否判定に必要な書類の提出を申請の要件化しています。
これまでいくつかの福祉事務所で、申請意思を表明しても申請書を渡さず、申請時に必要のない書類の提出を求めて申請権を侵害する「水際作戦」が行われてきましたが、今回の改正はこれを合法化・法制化するものです。
こうした批判を前に、衆議院では書類を提出できない「特別な事情」がある人は例外扱いする修正が行われましたが、修正したことで書類提出が大原則で書類提出がない場合の申請受理はごく限られたケースにとどめることにお墨付きを与えたのと同然です。政府は「改訂でも運用は変わらない」といっていますが、それならば法改正の必要性はないのではないでしょうか。
さらに現行法は、扶養義務者による扶養を保護の要件とはしていませんが、改正案は扶養義務者に収入や資産の報告を求めたり、扶養できない場合の説明責任を課すものになっています。
これらの法改正によって、今以上に要保護者の申請意思を萎縮させることにつながり、貧困を深刻にし、餓死や孤独死を誘発するものです。
今年の5月に国連の社会権規約委員会が日本政府に対し、生活保護の申請手続きを簡素化し、申請者が尊厳を持って扱われることなどを求める勧告を出したのは、日本の「水際作戦」の人権侵害ぶりがあまりにも明白だったからです。
国連の社会権規約を批准している日本政府は、勧告に基づき事態を改善する義務がありますが、今回の法改正は勧告に真っ向から逆らうものです。
いま、山形県内の生活保護率は0.62%(平成24年10月)と東北最低、全国でも下位クラスにあります。村山地区は0.4%台となっています。生活保護が必要な方たちのうち実際に生活保護を受給しているのは20~30%と言われています。全国で400万人以上が生活保護基準以下の生活を強いられています。生活保護行政でいま必要なことは、生活保護申請しやすい環境を整備し、補足率を引き上げることではないでしょうか。
県社保協に所属する病院でも、がんに冒された患者さんが、なかなか生活保護申請を受理されず、最後の最後になって病院に担ぎ込まれ、MSWや議員の援助で生活保護申請にこぎつけたものの、残念ながら亡くなるという事件がありました。
また、勇気を振り絞って市役所に相談に行っても、家族や親族の状況を根掘り葉掘り聞かれて、二度と保護申請する気にはならないという声も多数寄せられています。
全国では年間70人程度が餓死しているという事実が人口動態統計で示されています。
こうした悲劇を繰り返さないためにも、市民の健康で文化的な最低限度の生活を守るためにも、生活保護法改正の中止を求める意見書を提出してくださるよう、お願いします。
以上で意見陳述を終わります。
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